電子業界におけるスクリーン印刷ロゴ 粘度計やレオメータを利用したCasson降伏値、Bingham降伏値の測定・算出方法についての記事。 広範に利用されるCasson降伏値の利点について概説。

電子業界におけるスクリーン印刷技術/降伏値の測定

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降伏値 ( 降伏応力 ) の測定

印刷適性を判断する上で降伏値を利用する場合があります。ここでは、
・粘度計(またはレオメータ)のデータをCassonの式に回帰させて、Casson降伏値を算出する方法
・レオメータのデータを外挿させて、降伏値を求める方法
について記載します。
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Casson降伏値の測定・算出Casson降伏値の測定・算出 ( Cassonの式による方法 )

Cassonの式は、
 √τ = √η × √D + √τ0
であり、Casson降伏値は τ0 になります。


まず、回転数を変化させれる粘度計(またはレオメータ)によって、少なくとも2組以上の ( D ,τ ) を測定します。


( D1 , τ1 ) , ( D2 , τ2 ) , ( D3 , τ3 ) ...


ここで、D はずり速度(1/s)、τはずり応力(Pa)です。


粘度計で測定する場合には、読み取れるのは 回転数 と 粘度 かと思いますので、次のように換算します。
・D:ずり速度は、利用した粘度計の取扱説明書等に 回転数 → ずり速度 の対応が記載されていると思いますので、ここから算出します。
・τ:ずり応力は、( 読み取った粘度η × ずり速度D ) で算出します。


これらのデータ対の平方根をそれぞれとって


( √D1 , √τ1 ) , ( √D2 , √τ2 ) , ( √D3 , √τ3 ) ...


とし、Cassonの式に回帰させて、√η と √τ0 を算出して、それぞれ2乗すれば η と τ0 とを求めることができます。
Microsoft Excel であれば、slope()関数とintercept()関数が利用できます。
Casson式への回帰が充分な精度であるかどうかを、correl()関数などで確認しておく必要があります。


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降伏値の測定・算出降伏値の測定・算出 ( レオメータによる直接的方法 )

レオメータの stress sweep などの測定モードによって測定・算出します。
この測定モードは、極めて微小なずり応力を試料に印加していき、発生したずり速度を検出して測定していきます。
このときのプロットの一例を以下に示します。

降伏値を示す図
○印はデータのプロットを示します。
点線はデータの高ずり応力域を直線近似して外挿した直線を示します。


外挿直線は、高ずり応力域のデータをいくつかピックアップして回帰するか、グラフ上に直線を引いて求めます。
降伏値は、上記外挿直線とX軸との交点 ( とされることが多い ) ですので、ここから求めることができます。


この方法による降伏値算出は、前記外挿直線に非常に大きく依存してしまいます。
外挿直線を回帰計算から算出する場合には、ピックアップするデータ数に大きく依存します。
外挿直線をグラフ上に直接直線を引くことで求める場合には、直線の引き具合に大きく依存します。
したがって、同じデータを使用しても降伏値は大きく異なってしまう場合を生じ得ます。


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一般的なインクであれば、Casson降伏値・降伏値は 数〜数百 Pa 程度となるかと思います。
この範囲より小さいようであればインクがダレやすく、大きいようであれば製版のメッシュ跡が残りやすくレベリングしにくい、といった性状と なります。

スクリーン印刷でのインクのダレやすさを総合的に判断するには、降伏値とあわせて緩和時間、応力成長時間などを加味する必要があります。


意見

Casson降伏値を利用する利点は、ひとつのデータセットから一義的に算出することができる点にあります。
上記(Cassonでない方の)降伏値測定例では、外挿直線に大きく依存してしまうことがわかります。 レオメータで直接的に降伏値を測定しやすくなりましたが、 これを産業上利用するには精度が悪すぎるのです。
他方、Casson降伏値では、ひとつのデータセットから一義的に算出できますので、計算過程で精度を落とすことがありません。

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