電子業界におけるスクリーン印刷ロゴ レオロジーの基礎的事項、粘度の定義、流体の分類(ニュートン、非ニュートン、ビンガム、構造粘性、チクソトロピー,チキソトロピーなど)、各流体の流動曲線などについての記事。

電子業界におけるスクリーン印刷技術/レオロジー基礎

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レオロジー基礎

インクの印刷適性などを判断するため、レオロジーによる表現がなされる場合が多々あります。 ここでは、 最低限必要となるレオロジーの基礎について記載します。

工業的に高精度の印刷を行うのであれば、インクのレオロジー特性を把握する必要がでてきます。
しかしながらレオロジーの分野では、専門家でも用語や定義を正確に理解しているとは言い難く、専門書による勉強では間違って覚えてしまう ことすらあります。
したがいまして、ここではまず、基礎的な用語・定義を正確に表現することに努めることとします。


レオロジーとはレオロジー

レオロジーとは、物質の変形と流動に関する科学 と定義されています。 また、よく表現される 粘度 は、次のように 定義されます。

粘度の定義粘度の定義

粘度η=τ/ν (Pa.s)

  τ;ずり応力 (Pa)
  ν;ずり速度 (1/s)


ニュートン流体の場合、ηは一定となります。
非ニュートン流体の場合、η(見かけ粘度と呼称される)はνや時間tの関数となります。見かけ粘度とは、この場合の粘度を指します。


印刷インクは通常非ニュートン流体であり、従って粘度はずり速度の関数となります。
このため粘度計などで測定されたずり速度条件によって粘度はまったく違った値を示しますので、粘度を議論する際には必ず測定された時の ずり速度も同時に考慮しなければなりません。

流体の分類流体の分類

また、流体とは、空間的に見て連続の物体で、液体や気体のようにわずかな力で流れる性質を持っている物体と捉えられます。

流体は、例えば以下のように分類されます。


粘度のずり速度依存性による分類粘度のずり速度依存性による分類

   流体┳━ニュートン流体
      ┗━非ニュートン流体
        ┠━━━純粘性流体━┳━擬塑性流体(構造粘性)
        ┃             ┗━ダイラタント
        ┗━━━粘塑性流体━┳━非ビンガム
                      ┗━ビンガム


粘度の時間依存性による分類粘度の時間依存性による分類

   流体┳━時間依存性なし
      ┗━時間依存性あり┳━チクソトロピー(チキソトロピー)
                  ┗━レオペクシー


*実務上は上記の他、温度依存性を把握する必要があります。


各流体の流動曲線 各流体の定常ずり流動時の流動曲線

ニュートン流体【ニュートン流体】

ニュートン流体の流動曲線 原点を通る直線となります。

擬塑性・ダイラタント【擬塑性・ダイラタント】

準粘性流体の流動曲線 原点を通りますが直線ではありません。

ビンガム・非ビンガム【ビンガム・非ビンガム】

ビンガム流体の流動曲線 原点を通らない直線・曲線となります。

粘塑性流体では、降伏値を持ちます。
これは、ペーストを粘弾性体すなわち粘性と同時に弾性をも持つと考えた場合、非常に小さな応力ではペーストは流動を示さず弾性体としての 挙動を示します。
応力が降伏値より大きくなると流動を示すようになります。


スクリーン印刷インクでの降伏値は、数〜数百Pa程度の値を持ちます。

時間依存性 流体の時間依存性

チクソトロピー,チキソトロピーチクソトロピー(チキソトロピー)
チクソトロピー(チキソトロピー)とは、流体にあるずり速度を印加しつづけたときは時間の経過とともにずり応力または粘度が低下していきますが、一方、一定時間静止後は 元の粘度まで回復する現象を言います。
多くのスクリーン印刷インクで見られる現象です。
チクソ性 という表現は、これを誤用したものと言われています。


チクソトロピー(チキソトロピー)を、粘度計の回転数を変化させたときのヒステリシスループで計測することが提案されますが、あまり実際的ではないと思われます。
理由は、緩和時間を測定しようとすると何度も測定を繰り返す必要がある、実際のスクリーン印刷の状況とはあまり適合していない などです。
素直にレオメータで測定した方がずっと効率的と思います。


レオペクシーレオペクシー
レオペクシーとは、チクソトロピー(チキソトロピー)とは逆で、流体を流動させつづけたとき、時間の経過とともにずり応力または粘度が増加していく現象を言います。

このように、流動に関する現象は多種多様になります。
一般的なパウダ分散系のペースト材料であれば、上記分類に従い、
”粘塑性流体であって、非ビンガム流動を示し、多くはチクソトロピー(チキソトロピー)を示す”
と表現できます。

粘度計へ粘度計へ


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